理事長挨拶

学院創立120周年を迎えるにあたって

 松蔭女子学院が120年という長寿を与えられたことを喜ぶと共に、深い感謝の念を覚えます。女子教育が社会に必ずしも認められていなかった明治時代の中期に、イギリスの宣教師と日本の教育者の熱い思いによって、生徒数わずか11名の松蔭女学校が生まれました。時代は「坂の上の雲」を仰ぎつつ日本に国家主義が強まっていた時期で、宗教教育も困難な状況にありましたが、女子に自律できる力を与えたいという学校の熱意が、神戸の人々に支えられ、松蔭は教育活動を続けてきました。蒔かれた一粒の種が良い土地に落ちて育てられたのです。
 それから幾星霜の激しい変化の時代を越えて、今日創立120年の大きな節目を迎えようとしています。松蔭女子学院は中学校から大学・大学院までの総合学園として発展し、すでに6万名を越える卒業生を世に送り出しました。同窓生は社会や家庭の良き担い手として、幅広い方面で活躍して来ました。
 松蔭女子学院は「キリスト教の愛の精神に基づく人間教育」を学校の根本においていますが、これは松蔭を育んできた港神戸の開放的な気風とあいまって、学生生徒一人ひとりを平等に大切にする教育へとつながり、寛容で明るい校風を培ってきました。
 21世紀に入り、時代はまた大きく変化しつつあります。「人間の世紀、平和の世紀」と期待されながらも問題は山積しています。また、私立学校をとりまく環境も依然厳しくなっています。この中で、120年の歴史を振り返り、松蔭女子学院が地域社会の人々から支持されてきた良さは何か、強さは何か、また改めるべきは何かを考え、「学生生徒と教職員が共に歩む松蔭女子学院」をモットーとして、新たな一歩を踏み出したいと考えるものです。


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  • 神戸松蔭女子学院大学