生活学科 都市生活専攻の教育方針
学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
生活学科都市生活専攻では、都市化された社会における生活をさまざまな視点から研究することにより、人間らしい質の高い生活を創造・提案できる人材を養成する。具体的には、下記の能力を育成した上で学士(人間科学)の学位を授与する。
1.知識・理解
カリキュラム・ポリシーに記載する「生活科学」「生活行動」「社会生活」「生活システム」という4つの視点から、現実社会を概括的に理解できる。
2.汎用的技能
科学的な実験手法や質問紙などによる調査手法を用い、現実社会が直面している課題を的確に理解し、これらの課題への解決方策を社会に提案できる。
3.態度・志向性
社会の中で自立しながらも他者と調和できる女性として、自分自身の信念に基づき、社会や家族の幸せのために貢献しようとする。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
本専攻では、社会の都市化による生活の変化や生活の構造、人間の生活行動について概観する生活学科の基礎的知識の習得に加え、以下の4つの視点から生活を見つめ、それぞれの領域の現実問題に対応できる力を養成するために、実験・実習・演習科目を重視した教育をおこなう。
- 1.生活科学領域:生活を構成する要素の理解
- 2.生活行動領域:生活を構成するモノと人との関係の理解
- 3.社会生活領域:人と人との関係および社会生活の理解
- 4.生活システム領域:社会生活の基盤となる各種システムの理解
生活学科 都市生活専攻カリキュラム
我々を取り巻く生活は、一見するとたいへん入り組んでいて理解できないもののように思えます。皆さんには、生活を取り巻くモノについて、その素材や特性を知る「生活科学」領域、日常生活で経験するモノとヒトとの関係について学ぶ「生活行動」領域、人と人の関係を知る「社会生活」領域、社会を支えるシステムについて理解する「生活システム」領域それぞれから自由に科目を選択して、これまであまりよく知らなかったことを知り、興味のあることの知識をより深めて欲しいと思っています。
そのため、都市生活専攻では、家政学、生活科学、生活学といった生活を対象とするこれまでの学問に加えて、医学や心理学、社会学、さらには経済学や法学などの幅広い学問領域の科目が用意されています。一つの領域にこだわらずにできるだけ多くの学問領域の科目を履修し、広い視野から生活を見つめることができるようになってください。
都市生活専攻での科目をきちんと履修すれば、自分たちの生活について、モノ、ヒト、社会、生活を支えるシステムの4つのレベルから理解し、これからの時代にふさわしい、人間らしい質の高い生活を考えることができるようになるだろうと期待しています。社会に蔓延する、誤ったあるいは正誤の不確かな情報に惑わされることなく、質の高い生活を送ることができるような人間になってください。
必修科目
1年次には、「生活学概論」と「生活行動論」で、社会の都市化による生活の変化や生活の構造、および、そこでの人間の生活行動について概観する。また、生活を成り立たせている要素を学ぶための自然科学的な基礎知識を「生活の科学基礎Ⅰ・Ⅱ」で、調査や実験で得られた研究結果を解釈するための基礎知識を「生活統計学」*で学ぶ。また、大学での自主的な学びの習慣をつけるため、フレッシュマンセミナーとしての「基礎演習」を設けており、授業の聴き方、レポートのまとめ方、プレゼンテーションの仕方などはもちろんのこと、自然科学の実験、フィールドワーク、アンケート調査など、専門科目につながる基礎的な手法についても、修得する。
4年次には「卒業研究」を履修し、これまで本専攻で学び得た知識をまとめ、卒業論文へと昇華させる。
*学則上は「必修科目」ではありませんが、この知識がないと2年次以降の演習の履修や卒業論文の作成などが難しいため、本専攻では必修科目に準ずる扱いとし、「全員履修することが望ましい」としています。
専攻専門科目
- Ⅰ.都市生活を複合的に理解するための知識の修得
- (1)生活科学領域:生活を構成する要素の理解
生活にかかわる要素を客観的に理解するために、この領域では、身の回りを構成する「衣」「食」「住」に加え、「ヒト」および「健康と病気」について自然科学的な視点から学ぶ。 - (2)生活行動領域:生活を構成するモノと人との関係の理解
生活を構成するモノと私たちの生活がどのように関わってきたかを心理学的な観点から学ぶ。ここでは、衣食住に関わる行動を「生活行動Ⅰ(衣行動)」「生活行動Ⅱ(食行動)」「生活行動Ⅲ(住行動)」で学び、さらに都市化された社会で重要な行動である消費との関わりを「生活行動Ⅳ(消費行動)」で学ぶ。また、現代、多くの関心を集めている健康に関わる行動を「生活行動Ⅴ(健康生活)」で学び、生活のなかで、モノとの関わりで変化する人間の生活行動をとらえる力、視点を養う。 - (3)社会生活領域:人と人との関係および社会生活についての理解
生活科学、生活行動領域では、おもに個人的側面からの人間生活の理解であったが、ここでは、都市生活に欠くことのできない集団という側面から人間生活を理解する。まず人間が生まれて初めて出会う小集団、家族について「社会生活Ⅰ(生活と家族)」で学び、続いて、地域社会での生活を本学の立地している神戸を中心に「社会生活Ⅱ(神戸論)」で学ぶ。さらに、情報化の中での人間関係(「社会生活Ⅲ(情報社会)」)、21世紀の都市生活でキーとなるであろう共生のあり方(「社会生活Ⅳ(共生社会)」)についても学び、これからの生活のあり方を考えるための知識を養う。また、都市における生活文化について「社会生活Ⅴ(都市文化)」で学ぶ。 - (4)生活システム領域:社会生活の基盤となる各種システムの理解
都市生活の脆弱さをあらわにした阪神・淡路大震災の経験から、まずは生活システムの基本に関わる問題を「生活システムⅠ(ライフライン)」で学び、また、生活に関わるモノの供給システムについて「生活システムⅡ(流通・マーケティング)」で学ぶ。さらに、それらの供給によって成り立つ消費生活、経済、法のシステムについて、「生活システムⅢ(消費生活)」から「生活システムⅤ(生活と法)」までで学び、都市生活を成り立たせているシステムについて理解するとともに、生活をマクロな視点から客観的にみることのできる知識と能力を養う。
- Ⅱ.都市生活の生活問題等を把握・検討するための方法と技術の修得
本専攻のカリキュラムでは、単に講義による知識の修得に留まらず、自ら学ぶ力、論理的にものを考えて他者とやりとりしていく力、さらに多くの情報に惑わされず、生活に必要な良質な情報を選び取り、また自らが調査、実験することによって、新たな情報を作り出し発信できる力の養成も目指している。その目的を達成するため、実験・実習・演習などによって方法や技術の習得に重点を置いた教育を行う。
1年次に開講される「基礎演習」に続いて2年次には、対象の違いに応じた調査の方法や技術を学ぶ演習・実験・実習が用意されている。人間の行動や生活の変化などをすばやく察知し、それを提示していくための技術を学ぶものとしては、都市生活全般について調査をおこなう手法を学ぶ「都市生活基礎演習」、質的、量的、二つの側面から調査の方法を学ぶ「社会調査基礎演習Ⅰ・Ⅱ」、生活行動把握のための方法・技術の修得を目指す「行動科学基礎演習Ⅰ・Ⅱ」があり、さらに、それら調査や実験等で得たデータを加工、処理する能力を養成する「調査集計演習」が用意されている。
また、生活に関わるモノ、例えば、食品、繊維などについて、それらの成分等を知り、人体に有害であるかなどを判断するための技術習得として、「食品学実験」、「分析化学実験」、「被服材料学実験」などを設けている。さらに、よりよい食生活や衣生活を目指すための実習として、「調理実習」、「官能評価演習」、「被服整理学実験」などがある。
3年次にはこれらの実験・演習によって身につけた方法・技術を各自の関心領域に関わった形で総合する「都市生活演習Ⅰ~Ⅵ」が用意され、講義で得た知識をより深めて自分のものにすることができる。また、都市生活専攻で学ぶ学問は、実際の生活とは切り離せない。そのため、これまでに学んだ知識や技術を社会と関わる形で学び、実践する力を養うため、「生活と仕事」*や「企業研究(インターンシップ)」を設けている。
*学則上は「必修科目」ではありませんが、本専攻では必修科目に準ずる扱いとし、「全員履修することが望ましい」としています。
入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)
本専攻の入学者には、日常生活の何気ないことにも疑問をもち、その疑問に対する答えを自分自身で見つけ出そうとする意欲があることを期待する。入学者は高校までに特別な知識を修得している必要はないが、科学的な視点をもち、身の回りに気を配ろうとする態度を有していることが望ましい。