建学以来の女子グローバル教育の伝統

六甲の山の手に位置し、美しいレンガ造りの校舎から海と街を一望する神戸松蔭女子学院大学。124年前にイギリス人宣教師たちが創設した母体の松蔭女学校では、キリスト教精神とともに「英語と裁縫」を教育の軸に据え、来たる国際社会で女性が活躍できる力を養った。その明治期から続くグローバルで実践的な教育方針は、時代を超えた今も受け継がれている。
教務部長の柏本吉章教授は教育理念についてこう語る。「異文化に対してしりごみせず、心を開いて積極的に近づいていく。学生たちにはここで過ごす4年間で、そのマインドをぜひ身につけてほしい」 留学や海外研修も充実している。全学部全学科生を対象とした約1か月の短期語学研修は、オーストラリアのアデレード大学をはじめ、イギリス・中国などの提携校で60時間の語学学習を行う。英語学科英語プロフェッショナル専修では4〜6か月間のセメスター留学が必修、同学科グローバルコミュケーション専修では選択となっており、毎年多くの学生が英語圏の大学で学ぶ。習得した単位は大学での単位に加算され、さらに高度な語学を身につけたい学生には、約1年の長期留学制度も用意されている。また日本語日本文化学科では、2週間〜1か月にわたり台湾・インドネシアの大学などアジア圏で日本語教育実習も行っている。

【インターナショナルスクールでの教育実習】
神戸市の北野にある聖ミカエル国際学校でのインターンシップで、子どもたちに英語を教える英語学科の学生。登校から下校まで、英語を駆使しながら児童と過ごす。

個別に手厚く充実した留学・語学学習のサポート

留学のサポート体制も手厚い。国際交流センター長のアラン・ジャクソン教授は、「英語学科では留学前の1、2年次には語学とともに海外の文化について学び、留学先で安心・安全に暮らすために必須の知識を身につけます。多彩な提携校では万全の受け入れ体制が整い、留学先で何か困ったことがあれば即座に日本のスタッフが対応します。マンモス大学とは違い一人ひとりの学生に個別に質の高い指導を行えるのが神戸松蔭の特長です」と語る。週に4コマある英会話の授業でTOEIC対策の指導も万全だ。留学後も学んだ内容を英語でプレゼンや文章にまとめる機会が設けられ、社会で実践的に使える英語のスキルが学べる。
学内にある「ピア外国語応援サロン」にはネイティブの中国語・フランス語の語学指導教員や大学院生が待機し、語学学習のアドバイスや留学に関する質問、TOEICなどの資格に関する質問に答えてくれる。また「イングリッシュ・アイランド」には昼休みや講義の空き時間にネイティブの英語教員とコミュニケーションを楽しみながら、英会話の力を伸ばしたい学生が集う。学科の壁を超えてフランス語を学べるフランス語フランス文化副専攻や実践中国語副専攻もあり、学生の中には4年間で複数の外国語を自分のものにする人もいる。

エアライン、ビジネス……将来像に合わせたプログラムも

留学にかかる費用面のバックアップも充実している。英語学科生はセメスター留学で約40万円、1年留学で120万円が所定の基準を満たす学生全員に支給され、さらに成績優秀者には最大30万円が追加支給される。そのほか長期留学奨学金は、最大で1年間の校納金の半額または留学先の大学の1年間の授業料相当額が支給される。
語学学習にとどまらず、卒業後、女性が世界で活躍するためにさまざまな実務教育を行っているのも神戸松蔭の特徴だ。
ファッション・ハウジングデザイン学科ではこれまでフランス・パリや韓国への研修旅行を実施。世界的ファッションデザイナーで客員教授のコシノヒロコ氏が同行し、布の見本市などを見学したこともある。子ども発達学科ではオーストラリアで海外教育実習を行い、3年生有志の参加者が現地の小学校や幼稚園で児童と交流した。
「海外・国内インターンシップも充実しています。ハワイ・ホノルルフェスティバルのイベント運営や、バンクーバーの食に関する研修、中国の深圳でOGが社長を勤める商社でのインターンを行っています。留学やインターンなどの国際体験を積んだ学生は自立した精神と人間関係を築く力を身につけます。その変化は目をみはるほどです」とジャクソン教授は語る。
「本学が地元神戸で長年教育を行ってきた実績から、市内の海外ビジネスマンが多数集まる『神戸クラブ』や、インターナショナル・スクールの『聖ミカエル国際学校』でも毎年学生が研修の機会を得ています」(柏本教授)
そのほか英語学科の「国際ビジネス科目群」では、秘書士資格の取得とともに、外資系企業で求められる英語での電話や文書作成スキルなどを指導する。航空業界に就職を希望する全学生を対象とした「エアライン課程」では、世界に通用するホスピタリティとマナーを元CAに学ぶ。校舎の窓から見える世界の海は、学生たちの成長とともにさらに広がっていく。

Global Column

「英語による歌唱コンテスト」は
毎年多数の高校生が参加する人気イベント

ミッションスクールである神戸松蔭のキャンパスには、国内の音楽家の間でも音の反響が良いことで知られるチャペルがある。毎年8月、オープンキャンパスの日に合わせてチャペルで行われているのが「英語による歌唱コンテンスト」だ。英語の持つ美しさと楽しさ、英米文化の豊かさを広く高校生に感じてもらうために文学部英語学科が主催している。男女問わず15歳〜18歳の高校生グループが応募でき、英語歌詞の課題曲と自由曲を1曲ずつ歌う。毎年40組ほどのグループが参加する人気イベントだ。歌の英語の発音も審査の対象となる。