幼児期の運動=遊んでいるだけ?~運動好きな先生になろう~ を考えよう

今、子どもたちを取り巻く環境は大きく変わっています。一人っ子だったり、塾や習い事が多かったり、小さな子どもだけで気軽に外出できる環境ではなかったり。また、ゲーム機が充実していても鬼ごっこなどの“運動遊び”が必要なのはなぜでしょうか。生きる力と運動との関係は?先生をめざすいま、ぜひ一緒に考えてみましょう。

倉真智子 教授
■研究分野:幼児期の運動 運動習慣 体力づくり など
■主な担当科目:保育内容(表現Ⅲ) 保育内容(健康) 体育科研究

Step1 気づく

小さい頃の運動はどんな役に立つの? ただ楽しく遊んでいるだけかも?
じゃあ、運動なんてしなくていいのかな。


子どもの頃のことを思い出してみてください。友だちと鬼ごっこや縄跳びをしましたか?それとも勉強や習い事で忙しかったですか?近年は、外にいても通信ゲームをするだけ…という状況も増えているのだとか。友だちと一緒に体を動かして遊ぶことには、どんな意味があるか考えてみましょう。


Step2 考える・調べる

いろいろな友だちと遊ぶことで、小さな子だけの特別ルールをつくったり、自然と人間関係を学べるのかも。


幼児期は神経系の発達が著しい時期。この時期に運動することで、身体的発達、精神的発達、知的発達、社会性の発達に役立つといわれています。力を加減する調整力や平衡感覚を身につけたり、人と仲よく遊ぶためのルールや自分の役割を学ぶことは、大人になってから社会の中で「生きる力」につながっているのです。


誰とでも話すのが得意なんですが、それって子どもの頃にいろいろな年齢の子たちと遊んでいたおかげかも!?

先輩VOICE

松蔭の授業では!

歌やピアノだけではなく、それぞれが得意な“運動”を活かした保育・教育についてもしっかりと学べます。子どもたちが運動を楽しいと感じてくれるように、心と身体の成長に合わせた指導法を身につけましょう。

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Step3 発展させる

大人になってからでは身につきにくい力を育てるのが、運動遊び!
でも今の時代、園や体育教室以外で運動遊びは難しそう…。


運動遊びには、「遊び時間」「遊び空間」「遊び仲間」の3つの間(サンマ)が必要ですが、今はライフスタイルや生活空間、親の意識の変化などによってサンマがどんどん減っています。だからこそ、幼稚園や保育所での運動遊びの役割がより重要になってくるのです。


幼児期に必要なのは、子どもが自ら育っていく力。子どもたちは大人になるために準備しているということを忘れないようにしたいですね。

Step4 応用する

子どもには運動遊びをさせたいか、塾や習い事を大切にしたいか。 もし親だったら?保育者だったら?いろいろな立場から考えてみましょう。

先輩アドバイス

兵庫県立加古川南高等学校出身
在学生(4年)

運動遊びの効果を理解していると保護者にもきちんと、その大切さを説明できる。

私は外で遊ぶのが大好きで、両親も自由に遊ばせてくれたので、子どもの頃の思い出は楽しいものが多いです。だからもし自分が親になったら、子どもにも好きなことを楽しんでほしいと思いますし、外で元気よく遊んでほしいです。家でできるゲームは手軽だし、お勉強も大切ですが、たとえば公園でいろんな年齢の子と遊んだり、転んで失敗したりといった経験は、なににも替えられない学びだと感じています!

ただなかには、怪我を心配して運動を遠ざけてしまう保護者の方もいます。その気持ちもわかりますし、世間的には幼児期のタブレット学習も流行っていますよね。将来は保育者として、運動遊びの大切さをきちんと説明しながら、子どもにとってバランスのいい環境をつくっていきたいです!

先生のまとめ

すぐに結果が出ない運動遊びですが、
上手にできたかどうかより、楽しんだかどうかが大切。

運動遊びは、塾での勉強や習い事のように、成果が目に見えるものではありません。でも、身体的な能力はもちろん、知的・精神的な能力を高め、社会性を育てるためには重要な役割を担っているのが運動です。また、運動遊びには室内でできるものもたくさんあります。たとえばパズルは指先のいい運動になりますし、指先を動かすことで脳も活発になります。運動は心や知性の成長とも結びついているんですよ。

ただ、将来子どもに関わる仕事に就いたときに、気をつけてほしいことがひとつあります。それは「上手にできたか」ではなく、「楽しんで遊べたかどうか」が大切だということ。できなかったことを否定するのではなく、今できていることや少しでもできたことを褒めてあげてください。
運動が嫌いな大人のなかには、幼少期の失敗経験が苦手意識につながっている人も多いということを知っておいてください。

  • 01. 人間科学部
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