6月29日(火) 新学科の開設が認められました

2010.07.01

文部科学省へ設置申請を行っていた文学部の2学科「英語学科」「日本語日本文化学科」の開設が、6月29日(火)に認められました。これにより、2011年4月神戸松蔭に両学科が誕生します。


新生文学部について

学長 郡司隆男

新しい学科の設置

神戸松蔭女子学院大学の文学部には2011年度から新しい学科が2つできます。英語に関する科目の教育を担う「英語学科」と日本語に関する科目の教育を担う「日本語日本文化学科」の2つです。これにともない、現存の「英語英米文学科」と「国文学科」は募集を停止します。

文学部と「教養」

本学は長い間文学部のみの大学でしたが、人間科学部を設立して2学部制をとって以来、今日では定員の半数以上を人間科学部が占めるまでになってきています。

このような現状を踏まえて、この度、古い学科を廃止し、新しい学科を設立することにしました。形の上では既存の2つの学科が名前を変えることになりますが、それだけでなく、中身も大きく変わっています。

今回の文学部の改革で留意したことは、大学での学びの大きな部分を占める教養系の学問の重要性を正しく位置付けるということです。

文学部にも、具体的な「資格」が目標として見える分野もありますが、文学部の特徴は、必ずしも特定の分野の知識や技術の獲得を目標とするのでなく、「教養教育」を主眼とする学部であるということです。

「教養」とは何でしょうか?それは、突き詰めて言えば、卒業した後の長い自分の人生をよりよく生きるための確固とした「基盤」です。大学教育の大きな目標の一つは、大学で受けた教育が卒業生にとって一生残るものとなることです。

本当に役立つもの

「文学」という名前は誤解されているのではないでしょうか。文学部と言っても文学者を養成するわけではありません。今までも、卒業したら一般企業に就職する人が大部分でした。「文学」を勉強しても就職に役立たないという考え方に対しては就職実績で否と答えることができます。

今日、就職などで社会から求められることは、細かな専門的知識よりも、日本語および外国語における基礎的な文章読解力・表現力(いわゆるリテラシー)と論理的判断能力です。これらを身につけるための全学的な共通科目も大学には用意されています。しかし、これらはいずれも「ことば」と深く関わるものであるため、「ことば」について学ぶことを中心にした文学部の専門科目ならば、これらの力をさらに深く幅広く学ぶことができます。学部名は「文学部」のままですが、新しい学科は、狭く「文学」に捉われるのでなく、広く「ことば」を学ぶ学科という性格付けがなされています。

専門性と多様性

新しい文学部では、さまざまな科目をできるだけ楽しく、わかりやすく学べるように工夫をこらしました。

まず、それぞれの学科の下に、学科内での異なる学びの傾向を反映した「専修」を設けました。大学で学びたい内容に応じて、学科の中でまず「専修」という単位で選択をすることから大学生活がはじまります。

次に、それぞれの専修の中に、専門科目が系統的にとれるように、複数の科目からなる「コア科目群」を用意しました。これは、科目群としてまとめて履修することにより、これから勉強していく内容が明確化するように構成したものです。従来の「文学」だけでなく、「中期留学」、"英語漬け"の「イマージョン」、「児童英語」、「日本語教育」、「日本語コミュニケーション」など、バラエティに富んだものが用意され、その数は、存続する総合文芸学科も含めた3つの学科で20以上あります。

さらに、「コア科目群」にゼミ・演習や卒業研究を組み合わせると「メジャー」、つまり専攻となります。大学で学ぶ専門分野をはっきりと意識して学ぶことができます。

また、「コア科目群」は他専修・他学科からもとることができるというのが大きな特徴です。入学時に自分の選んだ専修を拠点とした上で、他専修・他学科からも幅広く学ぶことを期待しています。新生文学部は、「多様な」選択肢と高い「専門性」を両立させることを大きな特長としています。

文学部の再生に向けて

文学部には長い伝統があります。その伝統を保ち続けながら、時代の要請に応えて大きく変わる、今回の改革は何よりもそのことを念頭に置きました。新しい文学部にご期待下さい。

新学科の詳細はこちらをご覧ください。

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