[人間科学部 心理学科]久津木准教授が土曜講座で講演

2018.10.25

西日本豪雨のため中止となった7月7日の土曜講座を10月20日に実施いたしました。
人間科学部 心理学科の久津木文准教授が担当し、専門領域である発達心理学の立場から「我慢は悪いことばかりではない」というタイトルでの講演でした。
「我慢の能力=抑制、抑制制御」が備わる4~5歳のこどもを対象にアメリカで行われた「マシュマロ・テスト」の実験映像を見ました。机の上にあるマシュマロ1個を示し、「私が戻って来るまで15分間、食べるのを我慢してたら、マシュマロをもう1個あげるが、私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はないよ」と言って部屋を出ていき、その15分間の様子を記録した映像です。最後まで我慢し2個目のマシュマロを手に入れた子どもは、1/3ほどであり、我慢できた子どもは目をそらしたり、違うことをしてみたり、マシュマロから注意を逸らしていることが観察されました。
ネガティブな感情や衝動をコントロールする「我慢する力」は、より良い対人関係を築いたり、目先の利益を求めず長期的な展望のもとに行動するために重要となってきます。どのようなことをすれば我慢する力が向上するのかよくわかっていませんが、4~5歳の時期には脳の前頭前野が飛躍的に発達することから、前頭前野を刺激し、訓練する一例としてストループテストを体験していただきました。参加者は68名でした。

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