[人間科学部 心理学科]榊原准教授が神戸市障害児通所支援事業所一斉研修の講師を担当

2021.02.15

神戸市内の全ての障害児通所支援事業所を対象とした一斉研修が1月25日、28日の2日間に渡って開催され、人間科学部心理学科の榊原久直准教授が、その初日の講師として行政説明への助言と「障害児支援の質の向上について」の研修講演を遠隔形式で行いました。
榊原准教授の講演では「温もりのある子ども・保護者支援に向けて~虐待臨床の観点から~」を演題に、アタッチメント(愛着)理論という臨床心理学・発達心理学の観点から、子どもや保護者の方の支援のメカニズムについてを説明するとともに、支援者自身もまた同様に他者に支えられることが必要であることについて説明がありました。そしてそうした愛着関係の不和の先に、虐待であったりハラスメントと呼ばれる関係性があることが問題提起され、そういった関係性へと至るプロセスや、その結果生じる心身へのダメージ、そしてこれらの悪循環を断ち切るためにどういったことが必要になるのかということについての説明がなされました。
コロナ禍の影響を受け、全国で虐待やDV被害の件数が増加するとともに、各地の様々な支援現場が疲弊し、時に支援者による虐待という痛ましい事態が生じてきています。そうした現状に対して、時に加害者となってしまう保護者や支援者をただ糾弾するのではなく、子どもを支える保護者を支えることの必要性や、親子を支える支援者を支えることの必要性に目を向け、互いに温もりを与え合い、絶やさないようにする関係性を構築することがなにより大事であるということを、多くの方々に知っていただけたらという願いが述べられました。

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