[人間科学部人間科学科]「灘の蔵・30年熟成酒の想いを未来に繋ぐプロジェクト」進捗レポート
2025.07.15
大学コンソーシアムひょうご神戸「企業課題解決プログラム」において、人間科学部人間科学科の川口真規子准教授のゼミ生が、「阪神・淡路大震災30年を未来に繋ぐプロジェクト」として、日本酒ブランド「SAKE HUNDRED(サケハンドレッド)」(運営:株式会社Clear)との共同研究に取り組んでいます。
【株式会社Clearによる講座:SAKE HUNDRED「現外」と震災30年】
4月25日、プログラムのキックオフ講義として株式会社Clearの古川理恵氏を講師にお迎えし、SAKE HUNDRED「現外」と震災30年についてお話いただきました。
株式会社Clearの事業内容から日本酒を取り巻く現状、日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」について、阪神淡路大震災を乗り越えた熟成酒「現外」についてなどのレクチャーがあり、20年を節目に味が変わったことなど興味深いエピソードも知ることができました。さらに最後には貴重な「現外」などを試飲させていただきました。「甕で長期熟成させた深い味わい」「最初は外国のお酒のようなのに後味は日本酒の味。不思議」など味の感想も活発に挙がり、震災から30年という時の重みやその価値を、皆改めて噛みしめているようでした。
「両親は震災をきっかけに結婚したと言っていた」「飲んだらお母さんにLINEしたくなった」という学生もあり、当人たちは阪神淡路大震災を経験していなくとも身近な家族や地域の人々が被災していることで広がるイメージがあるのだと知ることができた授業でした。
【企業訪問:沢の鶴株式会社】
6月27日、震災を乗り越えた「現外」を醸造した沢の鶴株式会社を訪問しました。
酒蔵のひとつの「瑞宝蔵」を見学し酒造の工程を説明いただいた後は、取締役製造部部長で杜氏代行でもある西向賞雄氏を講師に、熟成酒(ヴィンテージ)へのチャレンジと復興への思いなどについてお話いただきました。これによって沢の鶴は熟成酒にも注力している酒造会社であり、熱い思いを持って取り組まれていることが解りました。
その後はきき酒師による古酒など貴重な日本酒の説明と試飲、同社社員へのインタビューなどを行い、理解を深めていきました。
同社の屋上からは摩耶山や大阪湾が一望でき、六甲おろしと呼ばれる乾燥した北風が吹き酒造りに向いていること、酒造りに欠かせない地下水が豊富であること、江戸時代は海に近く大量輸送しやすかったことなども実感できました。
今後については7月18日、4年生がスライド資料を用いた中間発表を行います。その後は来年1月に予定されている「現外」紹介イベントに向けた企画発表会、2月にはゼミ生による研究発表が行われる予定です。
◆日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」とは
世界中の人々の「心を満たし、人生を彩る」ことをパーパスに掲げる日本酒ブランド。阪神・淡路大震災にゆかりの深い30年熟成ヴィンテージ日本酒「現外」(醸造パートナー:沢の鶴株式会社)をラインナップしていることから今回の共同研究につながりました。
◆プロジェクト参加の経緯については以下のページをご覧ください。
[人間科学部人間科学科]大学コンソーシアムひょうご神戸「企業課題解決プログラム」において「灘の蔵・30年熟成酒の想いを未来に繋ぐプロジェクト」に参加します https://www.shoin.ac.jp/news/2025/04/004179.html