“ 染色” で外来種を鮮やかに活用
「グッバイ!イエロー!」
プロジェクト

人間科学部
都市生活学科 花田ゼミ

「グッバイ!イエロー!」プロジェクトは、神戸市北区まちづくり課との共同の取り組みです。神戸市北区、とくに山田町では外来種のオオキンケイギクという植物が日本の生態系を崩していることから、これまで刈り取りなどの駆除を行っていました。それをもっとポジティブに活用していくために、ハンカチなどへの“染色”をコンセプトとした活用方法を企画したのが、花田ゼミです。共同研究として染色実験に取り組み、鮮やかなイエローの染色に成功。オオキンケイギク活用大作戦として、イベントを実施しました。

見たことがありますか?
オオキンケイギクについて

日本各地で繁殖する北米原産の多年草で、初夏にコスモスに似た黄色の花を咲かせます。強靱でよく生育することから、かつては緑化事業にも使用され、一般へ向けて苗が販売されたこともありました。ところが一旦定着してしまうと在来の野草の生育場所を奪い、周囲の環境を一変させてしまうことが判明。2006年からは外来生物法に基づく特定外来生物に指定されて、生きたままの運搬や栽培、譲渡などが原則として禁止されています。

取り組みのステップ

STEP01

試作を繰り返して染め方を決める

まずは昨年刈り取られたオオキンケイギクのドライフラワーを使って染色実験を実施。花の色に近い鮮やかなイエローを出すために、染色時間や温度、染色液の配合を何度も調整していきました。
STEP02

デザイナーにロゴなどを依頼する

モノづくりには良いデザインが不可欠です。そこで山田町出身のデザイナーであるデザインヒーローさんに、ロゴやイベントチラシ・グッズの作成を依頼。キャッチーな企画に変身させました。
STEP03

プレイベントを実施して
改善点を探す

今後さまざまな場所でイベントを行えるよう、山田町でイベントを開催しました。まずは関係者の方を対象にプレイベントを実施し、一般の方が参加する本番へ向けて、感覚を掴むとともに改善点を見つけていきました。

ゼミのテーマは色彩学×被服学。
染色など色彩のテーマで社会問題に寄与。

教授 教授
神戸松蔭の都市生活学科は、衣食住や社会学・経営学といった学びを地域社会に活かすことをひとつの目標としています。ふたりは、イベントを通じてどんなことを感じましたか?
Oさん Oさん
私は以前から「色彩による生活の質の向上」に興味がありました。今回、地域の方と触れ合いながら染色のイベントに取り組めたことは、生活と密接に結びついていて、「生活の質の向上」を考えるうえでとても勉強になりました。
Iさん Iさん
普段は触れ合うことのない高齢者の方やお子さんなど、たくさんの方と会話できたことも嬉しかったです。地域の方々のリアルな意見を聞きながら、より良いイベントづくりができました。

素材や加工に合わせた染色方法を工夫。
参加者と一緒に楽しめるアイディアもプラス。 発見

Oさん Oさん
企画段階では、染色の色を安定させるのが難しかったです。布の素材や、ハンカチなどに施されている加工によって、薄い黄色や、茶色に近いオレンジになるものもあって。
Iさん Iさん
参加者がもっと楽しめるように、野菜スタンプや、輪ゴムでの絞り染めも試作しましたよね。輪ゴムは染め終わるまで模様がわからないワクワク感がお子さん向けに良いなと思いました。
教授 教授
2人とも自由な発想で心豊かなイベントを企画していて、とても素敵でした。地域の方と触れ合えたことも財産だと思います。山田町の方に作っていただいたおにぎりも、美味しかったですね。

プレイベントでの交流や会話を通じて
より良いイベントを創り上げていくことに。 成長

Iさん Iさん
初回の関係者向けプレイベントでは、染めている時間が暇になってしまうことがわかって…。音楽を流したり、クイズを用意したり、地域の方といろいろなアイディアを出し合いました。
Oさん Oさん
本番当日は、ハプニング続出でしたけれど(笑)。本番でははじめて深い寸胴で染めたので、鍋の底にあるくつ下が片方だけ見つからなかったりして。
教授 教授
神戸松蔭の学生はコミュニケーション力が高くて、臨機応変なところが強みですね。これからの活動でも、ほかにはないユニークな活動が展開できると思います!楽しみですね。

チャレンジできる環境で自分らしく成長!
これからも多彩な企画が進行中。

Iさん Iさん
神戸松蔭には地域連携の企画がたくさんあって、社会に出なければ体験できないと思っていたことにチャレンジできる環境ですよね。これからも興味があることに参加していきたいです。
Oさん Oさん
私もこんなに、考えたことをそのままイベントにできたり、地域に携わることができたりするとは思いませんでした。実践的に学びに取り組めるのが神戸松蔭らしさですね。
教授 教授
実は「グッバイ!イエロー!」を通じて、神戸フルーツ・フラワーパーク大沢の方にお声がけいただいて、次の新しい企画も始まります。これからも一緒に、生きた経験を積んでいきましょうね。
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