このゼミで扱う研究対象は、「日本語であって、かつ共通語ではないことば」。
地域の方言、若者ことば、男性・女性のことばといったテーマを取り上げ、考察を深めます。
「関西方言」をテーマとした演習では、概説書を使ってあらためて大阪方言の言い回しについて学んだあと、大阪方言と神戸方言との違いや年代差といったテーマについて議論を交わします。関西方言と一括りに言っても、実際には多様なことばが存在することに気づきます。
たとえば街で「あかんよ!」という注意喚起のポスターを見かけることがありますが、そこに関西方言が使われている理由は?「言語景観」と呼ばれる研究では、看板などの文字やことばを観察し、時には広告やマーケティングの視点も取り入れながら「なぜ」を深めます。
Step2の例のような方言看板は、神戸のおしゃれな街並みの中に、どれだけ見つけることができるでしょうか。ここから、神戸という地域社会について、方言との関係から考えることができます。こうして、ことばを通してその背景にある社会そのものを観察・分析する力も養われます。
「日本語・日本語教育コース」「日本文学・文化コース」「メディア表現コース」の3コースから2年次に選択することになりますが、あくまでそれは「軸足」であり、コースを決めてからも幅広い分野から学ぶことができます。一つのことを極めたい人はもちろんですが、いくつかやりたいことがある人にとっても魅力だと思います。